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むちゃぶり

へんてこな動画が届いた。親友の詩画家ほんまちひろさんからで、「ナナー、こんなの作った。これになんか音つけられないかな?」というものだった。あのね、そういうのを世間では「むちゃぶり」というんですよ、と思ったが、映像を見て爆笑してしまった自分は、速攻「やろう」と返信した。

今月日本に帰って私は2年半ぶりに彼女と会った。1時間だけ時間があって、喫茶店でコーヒーゼリー食べながら今後の企画について話し合った内容は、今回の動画とは全然違うものだった。でも、実際に会って話したおかげで彼女が言わんとするところはなんとなくわかるような気がした。

今回の企画では、私はまだお会いしたことのない音楽家の方も参加されるそうだ。いつの間にそんな方とお友達になったんだよ?と思いつつも、その方のYouTube映像を拝見しながらなんだかワクワクしてきた。

思えば私はこれまでも彼女の「むちゃぶり」のおかげをけっこう被ってきた気がする。音楽家でない彼女の要求するものは時々へんてこに見えて、自身が演奏家だったら言わないようなことも言う。でも実際にカタチにしてみると不思議となんとかなるもので、そこに彼女の鋭い直観があることも感じられる。それに、相手にむちゃぶりされたからといって自分ができないことをやる必要はなく、その要求に自分の能力でできる限りのことをして応えようと試行錯誤しているうちに、いつの間にか自分では気がつかなかった自分の頭の中の中にある扉がパカッと開いたりする。少なくとも、そのきっかけを与えてくれるような気がする。そういうことが、彼女はできる人なんだな、と思った。そしてそれが本当に無茶振りだったかは、実際にやって出した結果と自分の変化から判断すれば良い。

ちなみに、コーヒーゼリーは美味しかったがコーヒーとは一緒に食べれなかった。今回の企画もそれぞれが自分のテリトリーから生み出した全く異なるものをうまく合わせられたら、それがベストなものになるような気がする。