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小さな世界

ベルン州立音楽学校のギター講師は多国籍だ。クラシックギタリストは8名いて、ドイツ語圏スイス出身者が1名、フランス語圏スイス出身者が2名、イタリア人、ペルー人、レバノン人、チェコ人、そして私が日本人で1名(ちなみに音楽学校全体では現在136名の講師が働いており、アジア人は私も含め5人いる)。毎回ゼメスターのはじめにギタークラス講師だけの会議があり、それぞれが対等な立場で意見を出し合う。 そこでは年齢も、性別も国籍も関係ない。お互いをリスペクトしながら相手と異なる意見でも臆することなく言うことができるこの環境を、とても「大人だな」と思った。世界は広くて、一つじゃない。全然「同じ」じゃない。たった8名のこんな小さな世界でも、一人ひとりのバックグラウンドはまるで違う。そういうとき、この「違う人」たちが「対等な立場で話せる環境」がとても大切な気がする。そしてこの一定のニュートラルな環境がうまく作られると、一人で考えていたときよりずっと面白いアイデアが生まれる気がする。今月ギタークラス合同で “VielsAitig“ というコンサートを行う。Vielseitig(多様な)とSaite(弦)という2つの単語をかけ合わせたタイトルで、イタリア出身の同僚が考えた言葉。新しいタイトルの合同プロジェクト、素敵なものにしていきたい。
http://www.konsibern.ch/veranstaltungen/veranstaltungskalender/