BLOG


Go! Go! GUITAR

『Go! Go! Guitar』というギター少年&少女のための月刊誌が休刊になる。株式会社ヤマハミュージックメディアから20年間にわたり出版されてきたアコギ(アコースティックギター)&エレキ初心者向けの雑誌で、この雑誌が創刊された当時、ちょうど私はこの会社にバイトとして拾ってもらい、J-Popの耳コピなどの仕事をしながら採譜の仕方やコード進行その他数多くのことを学ばせて頂き、それはそれはお世話になっていた。この雑誌が休刊になるのは寂しい。

『Go! Go! GUITAR』2代目&5代目編集長として12年間この雑誌と関わってきたステキ女性はやしあつこさんの言葉を以下引用する。「〜でも、楽器を世界にむけて作って売ってるYという会社ですし、絶対に入門者向けの媒体が持つ使命があるはず!と信じてしつこく『Go! Go! GUITAR』という生き物をなんらかのスタイルで蘇生させられるようにチマチマこつこつやっていきます。(彼女のFB投稿より)」

人生何がどうなってギター、そしてクラシックギターにたどり着くかわからない。バーゼル音楽院に留学して入ったオスカー・ギリアクラスのギタリスト仲間達と「なんでクラシックギターを始めたか?」という話になったことがあるが、「子供の頃エレキギターがやりたい、って親に言ったら『まずはクラシックギターから始めなさい』って言われて、気がついたらそのままになっちゃったんだ。あっはっは!」と笑いながら語るギタリスト男子は結構多かった。結局みんなジャンルに関係なくギターが好きになっちゃったのね笑、と思うと同時に、この人たちがもしはじめにエレキとか他のジャンルのギターに魅力を感じていなかったら、いまこの素晴らしいクラシックギタリスト達は存在しなかったんだな、とも思った。

クラシックギターもフラメンコギターもアコギもエレキも、決してジャンルごとにバラバラに生きているわけではなく、お互いにちょっとずつ影響しあっている気がする。クラシックギター作品の中にもエレキの要素は入ってくるし、エレキギターでクラシックギターのレパートリーから速いフレーズを弾くことがカッコいいと思われることだってある。お互いの垣根が低い、というのはギターの強みかもしれない。演奏している人自身が他ジャンルに寛容なのは、ギターが発展していくなかでずいぶん大事なことだったんじゃないかな、と思う。そう思うと、近い将来「ギターを始めたのは『Go! Go! GUITAR』を手にしたのがきっかけで」なんて言うクラシックギタリストが現れても、そんなに違和感ないかもしれない。

何事もきっかけがなくちゃ始まらない。静かにアツい未来のギタリストのためにも、「入門者向けの媒体が持つ使命」を持って再びこの「生き物」が蘇ることを心から祈っています。

https://www.ymm.co.jp/magazine/guitar/